go to Kohno Group Home


シリコンナノチェイン

シリコンナノチェインとは、シリコンナノワイヤとは異り周期的な構造を持ったナノワイヤです。私達が発見・創成しました[論文]。直径数ナノから20nm程度のシリコンナノ結晶が、酸化物で被われ、また周期的に連結されています。すなわち、半導体(シリコン)と絶縁体(酸化物)の一次元周期構造をなしています。面白いことに、このナノ構造は自己形成します。電子顕微鏡でその構造を詳細に調べ、その結果、生成メカニズムも明かになってきました。基本的には良く知られた気相・液相・固相(VLS)機構により成長しますが、成長時の周期的なゆらぎにより、直径変動が生じ、また表面からの酸化によって部分的に酸化物になってしまうのです。


シリコンナノチェイン

生成したシリコンナノチェインをテンプレートにして、更に複雑なナノ構造を生成することもできます。例えば、銅と一緒に加熱するだけで、ナノチェイン内のシリコンナノ結晶球の半球部分を同シリサイドに変換することができます[論文]。このように、シリコンナノチェインは、派生的ナノ構造創成用テンプレートとして、大きな可能性を秘めています。


銅シリサイドナノチェイン

また、シリコンナノチェインのネットワーク、あるいはナノチェイン一本一本の電気伝導特性を、電子顕微鏡内でマイクロマニピュレータを用いることにより測定しています。ここでも興味深いゆらぎが出現することを発見しました。 [論文]

さらに、シリコンナノチェインを通電加熱することにより、その表面に付着し ていた炭素がチューブを形成すると同時にコアのナノチェインが蒸発し、炭素 のナノチューブが形成できることを見出しました。 [論文], [関連記事@nanotechweb.org]


シリコンナノチェインのチューブ化

Related papers

[Patent (特許)]

特許第3841592号 (2006年8月18日)
出願番号:特願平11-224715 (1999年8月6日 出願)
公開番号:特開2001-48699 (2001年2月20日 公開)
発明者:河野日出夫・竹田精治
発明の名称:シリコンナノ結晶球体チェーンの製法
出願人:科学技術振興事業団
特許権者:科学技術振興事業団