Life and Bioinformation Science

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新着情報・トピックス

生命情報専攻について

多様な生命情報をもとに構築される生物システムの仕組みを理解し応用する

生物は多様な生命情報が段階的に組み上げられた多階層システムととらえることができます。そのシステムの枠組みのうえで、生物は様々に変化したり恒常性を維持したりしながら、常にダイナミックな駆動を続けています。そのような生物システムでは、それぞれの階層に膨大な情報が含まれます。生物はそれらを有機的に活用し、遺伝子やタンパク質の働きから細胞の挙動の調節、さらには多細胞組織の形成や多様性をもった生物環境の構築に生かしています。

本専攻ではこのような生命情報と生物システムのしくみの基本と応用を学びます。生命情報の複雑ながらも効率的なしくみを理解し、生命情報を読み解く技術を幅広く身につけることは、これからの社会をすべての生命が輝く社会へと導くために大きく役立ちます。

将来の展開

ゲノム情報の解読や応用、生体細胞でのゲノム遺伝子情報の編集、人工遺伝子導入や遺伝子破壊といった遺伝情報の操作に加えて、タンパク質や細胞内代謝物の特性の解析やその人為的改変、生きた細胞を用いた蛍光ライブイメージングなど、生命科学の多彩な先端手法を学びます。医薬品・食品の開発や環境浄化・保全など幅広い分野に対応できる応用力が身につきます。さらに、応用物理専攻や機能化学専攻で提供される科目の学習を通じて、多角的な視点からの問題解決能力も育ちます。大学院に進学して深い思索力と探究力を学び、企業の研究開発部門をはじめとした様々な分野で活躍できる人材への成長が期待されます。

【関連研究室の先輩たちの進路】
 
大学院修士課程進学、日本コルマー、みのる産業、伏見製薬所、富士チタン工業、教員など
 
大学院博士後期課程進学、ロート製薬、小林製薬、ニプロ、ホクト、アドバンテック、教員など

カリキュラム

2023年度提供科目の一例

細胞生物学
細胞は生物の最小構成単位であり、細胞の生命のしくみは生物学を学ぶうえで基礎的な知識となります。細胞生物学では、細胞の構造、生命に基本的な分子、エネルギー合成などの基本的知識を学びます。

環境遺伝学
DNA二重らせんモデルの発表以来大きく発展した遺伝学は、細胞生物学・発生生物学・進化生物学などの諸生物学分野にとどまらず、医学・薬学・農学・生物工学等、広範な分野に大きな影響を与え続けています。このように爆発的に発展を続け、多様化した遺伝学の考え方・手法・成果について学びます。

発生生物学・発生工学
ヒトを含む多細胞生物のからだは、受精卵という一つの細胞を出発点として、精子と卵から受け継いだ遺伝情報に基づいて胚の発生が進行することで出来上がります。この授業ではヒトを含めた動物が、受精卵から胚、胚から成体へと発生する仕組み、特に、遺伝子の機能に基づいた胚の発生について学びます。

生物実験
実験において生物を安全に扱ったり、生物材料の活性を維持したまま正しく扱うためには特別な知識が必要です。この授業では講義と実験を通して、生物や生物材料の取り扱いに必要不可欠な実験器具・装置の操作法やその原理を学び、生物と生体物質についての理解を深めます。

研究環境

関連の深い研究室と研究設備

研究室名 所属教員 研究室ページ
染色体機能制御学研究室 教授 ・ 石井 浩二郎
分子発生制御学研究室 教授 ・ 蒲池 雄介
細胞増殖制御研究室 教授 ・ 田中 誠司
助教 ・ 小川 志帆
森林資源学研究室 教授 ・ 堀澤 栄
助教 ・ Afrida
研究室ウェブページ
植物機能形態学研究室 准教授 ・ 大井 崇生 研究室ウェブページ

セクショニング蛍光顕微鏡システム

Axio Zoom, V16 Apotome 3 (ZEISS)

蛍光顕微鏡ですが、セクショニング機能(厚みのある生物試料であっても、焦点が合った位置からの鮮明な蛍光のみを残し、上下からの蛍光ボケを除去することでクリアな画像を素早く簡単に取得するための機能)を搭載することで最高の分解能でコントラストに優れた、美しい画像を取得できます。ゼブラフィッシュ胚発生時の観察等で活躍。

蛍光顕微鏡システム

ThermoFisher Scientific, EVOS FL Auto 2 Imaging System

暗室不要タイプの蛍光顕微鏡。完全自動化された電動XYスキャニングステージと細胞培養チャンバーを備えます。生細胞イメージングをはじめとした細胞ベースの画像取得が簡易な手順でできるため、機器操作にかける手間を省き、データ分析をより重点的に行うことができます。これら以外にも高性能な光学顕微鏡やベーシックな光学顕微鏡も多数あり、日夜研究に活躍しています。

フローサイトメーター

BD Biosciences, Accuri C6 Plus

フローサイトメーターは、細胞に傷害を与えないための緩衝液を用いて乱れを含まない流れ(層流)を形成し、その中で1つずつの細胞を一列に並べて流し、そこにレーザー光を当てて散乱光や蛍光を測定することにより細胞1つずつの情報を取得する機械です(本機は1秒間に最大約10,000個の細胞からデータ取得が可能)。細胞周期の研究には必須の装置で、自動サンプルローダーを備えることで、多数のサンプルでも比較的短時間のうちに測定・分析を完了できます。

次世代型シークエンサー

illumina, MiSeq

'Deep sequencing' と呼ばれる次世代型のDNA塩基配列決定(シークエンシング)装置。この技術の開発・発展により、現在では、ヒトゲノム(約 3 × 109 塩基対)レベルの全塩基配列情報が1日(!)で得られる時代です。本機は、多数の生物試料を含むサンプルの特定の部位の配列決定や小さいゲノムのシークエンスに適した、ベーシックな次世代機ですが、一度の実験で、15 × 109 塩基(ヒトゲノム5セット分!)のDNA配列情報を得ることが可能です。
ちなみに・・・英語で 3 × 109(30億)文字の本を作ったら・・・標準的なレイアウトで5千万行、70万ページ!の本になります。

高速液体クロマトグラフィー(HPLC)機

Hitachi, D7000

生物の体内には、さまざまな物質が含まれます、それらの性質を解析・定量するためには、混合物中から目的の物質を分離し取り出すことが必要です。クロマトグラフィーとは、それらの物質をその性質の違いを利用して分離する方法のことで、カラムと呼ばれる管の中に保持された固定相に対し、試料をそこを移動してゆく移動相として流すことで、固定相と目的物質の相互作用によって混合物を分離、検出することができます。HPLC とは High Performance Liquid Chromatography の略で、液体の移動相をポンプなどによって加圧してカラムを通過させることで、高性能に分離して検出・取得することを可能にしています。他に資生堂(!)の HPLC もあります。

マルチイメージングシステム

Vilber Bio Imaging, Fusion FX7

細胞内に含まれるタンパク質や核酸の検出に用いる器械。化学発光を用いたウェスタンブロッティング(タンパク質混合物から特定のタンパク質を検出する手法の一種)後のメンブレン撮影に加え、蛍光イメージングやマウス及び植物などの in vivo(生体内)イメージング、核酸の電気泳動後のイメージ取得など、さまざまなイメージングに対応し、かつ高感度な検出を可能にする器械。この器械以外にも、マルチイメージング機があります。また、各研究室には特定の目的に特化したイメージング機器があり、目的に応じてこれらの機器を使い分け、研究を進めています。

近赤外蛍光イメージングシステム

LI-COR, ODYSSEY CLx

生物由来の物質の中には、自家蛍光を発する物質があります。また、ゲルやガラスプレートなど、解析に用いる生物試料以外の様々な物質も自家蛍光を持つことがあります(家庭用洗剤などにも蛍光剤が入っています)。本機は、蛍光を発したとしても低レベルである赤外光を用いて検出を行うため、様々な解析において高い検出感度と定量性の良いデータを信頼性・再現性よく取得することが可能です。

ゼブラフィッシュ飼育システム

ゼブラフィッシュは、脊椎動物でありながら、胚が透明、飼育が容易、世代時間が短い、変異体の取得や遺伝子改変動物の作製が容易などの理由から、分子遺伝学やイメージング技術を利用した発生・再生などの研究に利用されているモデル生物です。分子発生制御学研究室ではゼブラフィッシュを用いて研究をおこなっており、各系統ごとに別々に魚を飼育するために多数(200個!)の水槽が並んだ様子は壮観です。

ハイスループット菌体移設(ピニング)ロボット&コロニーイメージング

Singer Instruments, ROTOR HDA & PhenoBooth

微生物を実験に用いれば、特定の薬剤に感受性を示すなど、目的の表現型を示す変異体を多数の変異体集団から得ることが可能です。しかし、多数の変異体を混ざらないように一度に取り扱うことは、熟練研究者であっても、大変な作業です。ROTOR HDA は、微生物ライブラリの作製や活用に不可欠な高密度の菌体アレイ(規則正しく高密度に並んだ多数のコロニー)を素早く作製できる卓上型ロボットです。このロボットを用いることで、10 cm 四方程度の一枚の寒天培地に最大 6144 個のコロニーを一度に移植することが可能です。Phenobooth (フェノブース)は、Rotor HDA ロボットが寒天培地上に植え、形成した多数のコロニーの高解像度画像を撮影し、そのデータを用いてユーザーが設定した解析(コロニーの数や形状・色合いなどのフェノタイプ(表現型)を解析し、栄養要求性や薬剤感受性試験のデータ取得やタイムラプス撮影を用いた増殖の変化量の測定など)を自動でおこなってくれる器械です。

四分子解析ワークステーション

Singer Instruments, MSM400

酵母は、単細胞微生物ですが、真核細胞のモデル細胞として、またパンやお酒などの発酵に必要な産業上重要な生物として、広く基礎・応用研究に利用されています。酵母を用いた研究では掛け合わせとその後の減数分裂誘導で形成される4つの単数体(ハプロイド)細胞を分離し、解析する実験(四分子解析と呼ばれます)がしばしば行われます。MSM400はコンピュータ制御の電動ステージを装備した顕微鏡プラットフォームで、酵母の四分子解析や細胞寿命の研究において迅速かつ確実な操作を可能にしてくれる器械です。

チェンソー

Stanley Black & Decker, Inc.

「13日の金曜日」のジェイソン(はチェーンソー使いません)・・・ではなく、森林資源学研究室で木を切り刻むときに使用します。