理工学のフロンティア

理工学のフロンティア

学生がそして教員が、高知にいながらにして、サイエンス、テクノロジー、そして人文諸科学の世界の最前線を、その最前線を開拓している第一線の研究者本人から聴くための、学群コロキウム「理工学のフロンティア」。豪華な講師陣が、直接、語りかけます。

2017年度 講演一覧

講演回 講演者 講演タイトル 日時/場所
第6回 水上 元 博士
(高知県立牧野植物園園長)
植物園と産業イノベーション 2017/11/15 10:30-12:00
K101
【概要】植物園というと、多くの皆さんはチューリップやサルビアなどが四季折々に咲き誇っているフラワーガーデンをイメージされることと思います。しかし、植物園の本来の性格は植物研究を通じて産業振興に資する研究機関なのです。植物園が18世紀後半からはじまるヨーロッパ諸国の産業振興にどのように貢献してきたのかを歴史的に振り返りながら、今日の植物園の産業イノベーションへの貢献を牧野植物園の活動を例にとって紹介します。
第5回 坂本 猛 博士
(YAMAKIN株式会社)
歯科用接着剤の研究と製品開発 -企業の研究開発をどのように楽しむか- 2017/11/08 10:30-12:00
K101
【概要】接着という現象は、界面や被接着体などの機械的や化学的な要因が絡んで起こる現象です。そのような意味で接着剤の研究は、難解なパズルに取り組むようなものと言えます。ここに、製品化が加わると、科学だけではない検討や試行錯誤が加わるので、製品までの道のりが、まさしく険しい山を登るようだと言うことができます。
 本講演では、接着剤の科学の紹介し、当社が最近開発した接着剤を例に、研究開発と製品化までの道のりもあわせて紹介します。製品開発は厳しい側面もありますが、難解なものに取り組む楽しさは、大げさですが、何物にも換え難いことを少しでもお伝えすること事ができれば良いなと思っています。
第4回 木川 栄一 博士
(国立研究開発法人海洋研究開発機構 海底資源開発センター長)
海底資源はどのように生成されるか 2017/11/01 10:30-12:00
K101
【概要】近年、多くの注目を集めているメタンハイドレート、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、レアアース泥、マンガン団塊について、これらの海底資源がどのように生成するかについて、基礎から最近の研究成果までわかりやすく解説いたします。
第3回 山本 佳世子 博士
(日刊工業新聞社)
スペシャリストでゼネラリスト 2017/10/18 10:30-12:00
K101
【概要】科学技術の専門教育という強みを「スペシャリスト」として生かす。同時に、多様な分野や専門を融合して社会の豊かさを築く「ゼネラリスト」になる。その二つの視点が理工系人材にも求められるようになっている。科学技術と大学の専門記者をする講師が題材を提供し、研究の専門家と社会のコミュニケーションや、科学技術に関わるキャリアのポイントを、ともに考えていく。
第2回 酒井 泰斗 氏
(ルーマン・フォーラム)
技術の社会学 2017/05/27 14:40- 
C101
【概要】理工学を学んだ学生は、就業後どのような問題に遭遇することになるのでしょうか。技術哲学、工学倫理、科学社会学、科学技術社会論などを手がかりにして考えてみたいと思います。
第1回 杉田 歩 博士
(大阪市立大学准教授)
ボードゲームと人工知能 2017/05/23 14:40- 
C101
【概要】チェスをはじめとするボードゲームはかつては知性の象徴と考えられており、ボードゲームで人間に勝つプログラムの開発は、コンピュータの黎明期から人工知能研究の大きな目標でした。そしてコンピュータチェスは20世紀中に人間のトッププレイヤーに勝ち、その後、チェスよりはるかに難しいと言われていた将棋や、最難関と思われていた囲碁においてもコンピュータは人間を越えつつあります。この講演では、コンピュータ将棋を中心として、様々なボードゲームにおける人工知能の仕組みや最近の発展、今後の展望についてお話します。

2016年度 講演一覧

講演回 講演者 講演タイトル 日時/場所
第10回 永野 正展 博士
(本学特任教授)
枯れない油田構想の社会実装 2017/01/27 16:20-17:50 
C102
【概要】
研究成果の社会実装(事業化)事例の紹介。
人為的に再生可能な森林資源を用いた価値創造による地域の活性化を実現して行くプロセスを具体的に解説します。
キーワードは、環境・エネルギー・価値創造・起業・持続可能・地域再生・社会システム。

●講演者情報
http://www.kochi-tech.ac.jp/kut/about_KUT/faculty_members/prof/nagano-masanobu.html
https://sangakukan.jp/journal/center_contents/author_profile/nagano-m.html
第9回 山崎 義弘 博士
(早稲田大学教授)
サッカーを科学する 2017/01/24 14:40-16:10 
C102
【概要】光電子的測定技術の進歩とコンピュータの進歩、そしてビッグデータを扱うネットワークサイエンスの進展があいまって、スポーツに「科学」のメスを入れることが可能となってきました。今回のお話では、非線形力学系物理学の視点からサッカー・ゲームを解析する試みを紹介します。果たして科学はサッカーの勝利を呼び寄せる手段となるのでしょうか。
第8回 藤崎 弘士 博士
(日本医科大学准教授)
複雑な分子はどんな道筋でどれくらい速く反応するのか? -生体分子の構造変化とレアイベント- 2016/12/16 14:40- 
C101
【概要】タンパク質はアミノ酸が連なってできる巨大で複雑な分子であり、分子間の相互作用によって美しい立体的な3次元構造を作る。その構造に応じて、生体内で様々な働きをするので、構造と機能の関係を理解することは生物学的には最も基本的であり重要である。ただし、生体分子が機能する際には、構造は固定されておらず、構造は局所的もしくは大域的に変化する。その変化は人間の感覚で考えると速いが、分子の立場で考えると非常に遅いプロセスであり、「レアイベント」と呼ばれるものになっている。本講演では、生体分子に関する一般的な導入から始めて、このレアイベントを考えるための理論的な手法について解説する。
第7回 岡田 仁志 博士
(国立情報学研究所准教授)
貨幣が消える日:仮想通貨が拓く未来の経済 2016/11/10 14:40- 
C101
【概要】聞き所
(1)情報・数学の観点からも面白くわかりやすい
話題の仮想通貨の仕組みについて、非常にわかりやすく解説してくれる。
(2)世界史の観点からの解説もある
貨幣の成り立ちから、貨幣の歴史的変遷を2次元図にマッピングしながら、仮想通貨の歴史的意味について解説して下さいます。
第6回 渡邊 高志 博士
(熊本大学教授)
谷口 ももよ 氏
(東洋美食薬膳協会代表理事)
医食農連携の最前線:アグロメディカルフーズから薬膳まで 2016/10/06 13:00–14:30 
K-HALL
【概要】熊本大教授と売れっ子薬膳料理家による、リレー講演会。食の高付加価値化には「知の流通」が不可欠です。医食農連携の観点から、バズワード「アグロメディカルフーズ、薬膳」に関連した事業展開の最前線をお伝えします。その後、本学主催の食のキャラバンとの関連を紹介したのちに、パネルディスカッションを行います。

●タイムスケジュール
★1st speaker(30分):渡邊先生(Agromedicine事業の最新状況、公開できる範囲で)
★2nd speaker(30分):谷口先生(薬膳の基礎概念+現在の事業内容)
★古沢が食キャラとの関連を補足(10分)
★パネルディスカッション(20分)

●講演者情報
渡邊高志教授(熊本大学)
http://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/Labs/eco-frontier/aboutus/
谷口ももよ先生(東洋美食薬膳協会 代表理事)
http://www.yakuzen-salon.com/profile/index.html
https://www.facebook.com/momoyo.taniguchi.1
第5回 山下 慎吾 博士
(魚と山の空間生態研究所所長)
景観生態学の視点で四万十川流域をみる 2016/07/29 16:20– 
B106
【概要】四万十川流域など幡多地域でおこなわれている自然再生事業を紹介するとともに,文化的景観にもふれる内容です。
第4回 山内 尚雄 博士
(東京工業大学名誉教授・本学客員教授)
「リニア中央新幹線」を支える力?超伝導現象 2016/07/12 10:30– 
B106
【概要】2045(2037?)年に開業し、東京-大阪間を67分で結ぶことをめざす「リニア中央新幹線」の東京-名古屋間の工事は、すでに2014年に着工されている。この近未来「鉄道」は18世紀後半以来の「一次産業革命」を支えてきた従来の鉄道とは画期的に異なる物理現象である「超伝導」を応用することにより実現できる。
超伝導現象は 20 世紀初めにオランダで発見されたが、その現象の原理解明はようやくその半世紀後になされた。その描像は奇異なもので、当時の人々の常識を破った理論体系として確立されたばかりの量子論を用いてなされた。一方、原理解明以前から、超伝導現象応用への努力は地道に行われてきていた。とくに、発見者である H. Kamerlingh-Onnes 自身が目指した強力な「超伝導電磁石」の開発は、彼の死後 40 年以上経った 1960 年代になって実現され、超伝導実用化の糸口となった。そのころわが国では、超伝導電磁石による「磁気浮上式鉄道」の開発と商業化への研究が始められ、今日では前述したように「リニア中央新幹線」の着工に至っている。
本講義では、超伝導現象とその熱力学的・微視的描像の解説、および超伝導現象を発現する物質、すなわち「超伝導体」の物性について紹介する。また、 1980 年代後半に勃発し、20 世紀末頃まで続いた「高温超伝導フィーバー」の体験と現状について述べる。さらに、さまざまな応用の可能性についても言及する。
第3回 北川 宏 博士
(京都大学教授)
現代の錬金術:人工的にパラジウムは作れるか 2016/06/16 10:30– 
講堂
【概要】卑金属から貴金属を創ろうとした中世の錬金術は現代化学の基礎をなしています。Alchemy(錬金術)はChemistry(化学)の語源になっています。本講演では、現代の科学技術を持ってして錬金術が可能かどうかについて解説を行います。また、化学結合の本質についても言及します。
第2回 須藤 靖 博士
(東京大学教授)
一般相対論100年:重力波の直接検出 2016/05/17 16:20– 
講堂
【概要】—
第1回 三宅 淳 博士
(大阪大学教授)
ディープラーニングが解く世界 2016/04/19 16:20– 
講堂
【概要】深層学習=Deep Learningの応用としては車の自動運転などがよく取り上げられますが、もっと幅広く人の生活全般に影響を与えるでしょう。我々の研究グループでは、(a) バイオ応用として、DNAレベルの進化、タンパク質の突然変異や細胞の分化誘導、細胞内の遺伝子や化学反応の連鎖(例えばガン化メカニズム)、(b) 知能と運動の研究として、ロボットと人間の認識共有、テロリストの検知・人間の行動解析、などを行っています。今後医療技術や、社会的な予測技術、産業製造技術、自動翻訳などへ発展することは確実であり、それらの可能性や方向についてもお話したいと思います。

2015年度 講演一覧

講演回 講演者 講演タイトル 日時/場所
第14回 大政 謙次 博士
(東京大学教授)
植物機能のリモートセン シング -細胞から植生へ、2次元から3次元へ- 2016/01/08 14:40–16:10 
C103
【概要】植物は、種や器官によって異なる特徴ある3次元空間構造をもち、また、その機能は、環境との相互作用で、空間的に異なっている。蒸散や光合成、成長といった基本的な生命活動に関係する機能も、この空間的構造の影響を受ける。このため、植物計測の分野では、細胞レベルあるいは器官レベルの状態を、生育環境を破壊することなく、2次元、さらには3次元的に計測する手法の開発が行われてきた。航空機や人工衛星からの広域リモートセンシングでも、地球観測研究の発達によって、より多くの植物機能に関する情報を得るための研究が盛んに行われている。ここでは、筆者らが行ってきた可視・近赤外分光反射、熱赤外、クロロフィル蛍光、距離ライダーなどの画像計測・リモートセンシング研究について、細胞から植生へ、2次元から3次元への視点で簡単に紹介するとともに、リモートセンシングによって植物機能に関する情報を取得する際の幾つかの問題点について述べる。文献などの詳細については、下記のサイトを参照されたい。
(研究論文)http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/joho/Omasa/papers2010311.html
(著書・解説)http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/joho/Omasa/books20090123.html
[HP]
第13回 上條 良夫 博士
(本学准教授)
ゲーム理論の射程 2016/01/05 16:20–17:50 
C103
【概要】本講義では、社会科学において必要不可欠となったゲーム理論の概略とその応用範囲について解説します。講義の導入では、じゃんけんを題材として、ゲーム理論的に考えることの難しさと面白さについて体感して頂きます。そこから得られた簡単な洞察を膨らませることで、戦略的不確実性を緩和させるような仕組みをゲーム理論が提案できることを説明します。具体的な事例としてインターネットオークションや Google などが実施している検索結果連動型広告のオークションに関する研究を紹介します。
[講演資料]
第12回 蒲池 雄介 博士
(本学教授)
小型魚類を利用した胚発生の研究で何がわかるのか? 2015/12/18 16:20–17:50 
C103
【概要】胚発生の過程で、一つの細胞である受精卵から、どのようにして脳の細胞や眼の細胞が作られ、生理的な機能を持つ組織・器官が生じるのだろう か。現在の発生生物学では、分子生物学、細胞生物学、ゲノム生物学などの手法を総動員して、これらの問題に対してアプローチしている。本講演では、筆者らの「胚発生過程における遺伝子の発現制御に関する研究」とともに、なぜゼブラフィッシュなどの小型魚類が脊椎動物の胚発生の研究で重宝されるのかも紹介したい。
[講演資料(学内からのみアクセス可)]
第11回 小谷 浩示 博士
(本学教授)
気候変動と資源環境問題:資本主義に持続可能性はあるのか? 2015/12/11 16:20– 
C103
【概要】資本主義とは何か、資本主義社会に生きる我々はどの様な社会指向性を持つに至ったのか、を説明します。また、資本主義下で生きる我々は環境問題、生物多様性の喪失、気候変動問題等を解決出来るのか、それとも悪化させてしまうのか、これまでの経済実験結果を元に説明致します。結論として、競争により現世代の効率性を高める事の対価として持続可能性が危い事、そして持続可能性を高める為には環境技術の進化と資本主義に加えて更に新しい「何か」が必要であるかもしれない、という事を議論します。
第10回 山内 尚雄 博士
(東京工業大学名誉教授・本学客員教授)
文明を推進してきた材料 2015/12/07 10:30– 
B107
【概要】—
第9回 小林 豊 博士
(本学准教授)
社会生物学から人類進化の理論へ 2015/11/30 16:20– 
C102
【概要】社会問題・社会現象を分析する学問には、社会心理学、経済学、社会学などがあり、これらは社会科学と総称されます。しかしながら、人は生物である以上、他の動物と同様、自然淘汰によって進化してきたはずであり、人間社会を理解するうえで、生物学的な視点は欠かせないはずです。動物の社会行動の進化を研究する学問は、社会生物学と呼ばれ、進化ゲーム理論、包括適応度理論、集団遺伝学などの、厳密な数理モデルに基づく大変円熟した理論体系を持っています。理論的にはほぼ完成した学問であると言って良いでしょう。それに対し、人類進化の理論はあいまいでつかみどころがなく、完成とは程遠い状況にありますが、それが同時に魅力ともなっています。本講演では、社会生物学の基礎から始め、統一的なヒト進化理論の有力候補である二重継承理論を紹介し、進化論的な観点からヒトの特異性について議論します。
第8回 藤田 陽師 博士
(高知工業高等専門学校准教授)
化学メーカーにおける計算化学的手法の適用例 2015/11/24 8:50–10:20 
C103
【概要】量子化学計算、分子動力学計算に代表される計算化学的な研究手法は、化合物を提供し利益を得ることをその生業としている化合物製造業において一見必要のないように思われますが、上手く使えば、研究開発速度の加速し研究コストを低減することなどが可能です。
本講義では、ゼオライトを用いたフェノールの酸化反応の触媒系、ポリプロピレンの製造触媒系、および色素増感太陽電池における新規色素開発等における化学メーカーでの計算化学的手法の適用例を説明して下さいます。
第7回 那須 清吾 博士
(本学教授)
気候変動の影響予測と適応策 2015/11/05 16:20– 
C102
【概要】グローバルな気候変動の影響を特定の地域で予測し、適応策を検討し、地域において合意形成を行う為には、様々な学術分野を統合する必要がある。気象学、水文学、経済学、経営学などの学術分野による統合シミュレーションのプロセスを紹介するとともに、その成果に基づいて如何に適応していくの か、地域社会や行政との関わりにおいて考える。また、気候変動の影響が地域において非常に多様性があり、それが地理的、経済的な地域特性や、将来の社会経済シナリオによって生じる仕組みについても解説する。
第6回 木川 栄一 博士
(海洋研究開発機構 海底資源開発センター長)
海底資源の生成と地球環境 2015/10/23 16:20– 
B108
【概要】最近話題になっている海底資源の概要を解説するとともに、その生成と地球環境の関係について、特に在来型の石油・天然ガス、コバルトリッチクラストの生成時の環境について最新の研究結果を紹介する。
第5回 山下 慎吾 博士
(魚と山の空間生態研究所所長)
景観保全の実際 2015/10/ 15 16:30– 
C102
【概要】景観とは、みための景色ではなく、異なる生態系(景観要素)がモザイク状に分布する空間の全体的なシステムです。そして、そこに暮らす人々の生業を成り立たせている基盤でもあります。ここでは、文化的景観や自然再生といった概念をもとに、景観を保全していこうとする実際の動きについて紹介していきます。
高知新聞に不定期でコラムを執筆されてます。下記記事も参照。
[http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=332543&nwIW=1&nwVt=knd]
文化的景観に関する予備知識としては以下のリンクを参照。
[http://www.nabunken.go.jp/org/bunka/landscape/shimanto.html]
第4回 羽田野 直道 博士
(東京大学准教授)
複雑ネットワーク:統計物理学の視点 2015/10/15 13:00– 
C103
【概要】この講演では、複雑ネットワークを概観し、統計物理学の視点からの解析について議論します。ネットワークとは、数学ではグラフと呼び、幾つかの点(ノード)を幾つかの線(リンク)で結んだものです。 数学的に主に研究されてきたのは、点をランダムに結んだランダムネットワークです。ところが、生体内のタンパク質の相互作用ネットワークから、人間社会の知人関係ネットワークに至るまで、様々な場面で現れるネットワークが、ランダムネットワークとは全く異なる統計的性質を持つことが最近、明らかになってきました。それらを総称して複雑ネットワークと呼びます。最大の特徴がスモールワールド性とスケールフリー性です。スモールワールド性とは、ネットワーク上の任意の2点を結ぶ最短経路が、ランダムネットワークからの予想よりもずっと短いという性質です。スケールフリー性とは、ノードに繋がるリンク数の頻度分布が冪分布であるという性質です。他にほとんど繋がっていないノードが非常に多数ある一方、いくらでも大量のリンクを抱えたノードも存在し、典型的なリンク数が存在しません。ランダムネットワークならポアソン分布になるところです。このような性質を持つネットワークがどのように現れるのか、また、そのようなネットワーク上でのモデルが、格子上とどのように異なる振る舞いをするのかが分野横断的に盛んに研究されています。これらを初歩から丁寧に説き起こしてお話しします。
第3回 西條 辰義 博士
(一橋大学教授)
フューチャー・デザイン -七世代先を見据えた社会の構築を目指して- 2015/06/02 16:20–17:50 
講堂
【概要】市場制は人々の短期的な欲望を実現する非常に優秀な仕組みではあるものの,将来世代を考慮に入れて資源配分をする仕組みではない.一方,市場制を補うはずの民主制も現世代の利益を実現する仕組みであり,将来世代を取り込む仕組みではない.さらには,ヒトそのものも自己の生存確率を高めるために,過去のいやなことは忘れ,今の快楽を求め,将来を楽観的に考えるように進化した可能性が大である.このように将来世代の様々な資源を「惜しみなく奪っている」のが現世代である.これらに対処するために,存在しない将来世代に代わって仮想将来世代を現世代に導入し,持続可能性を含む新たな社会を創造する枠組みが「フューチャー・デザイン」である(マニフェストとして『フューチャー・デザイン』西條編著,勁草,2015,参照).
 仮想将来世代を現代に導入する手法は,理論,実験,実践の分野でテイクオフしようとしている.崩壊しつつある全国の水道事業(更新するのに百年以上)においてフューチャー・デザインの手法を導入し,仮想将来世代と現世代との交渉で将来のデザインに成功しつつある岩手県矢巾町などの事例がある.復興庁終了後の新たな政府機関として将来省の提案も考えている.また,被験者を用いる実験では,仮想将来世代は,現世代とは全く異なった柔軟でしかも独創的な思考をすることも発見しつつある.気候変動を含む人類の存亡にかかわるテッピング・ポイントが迫りつつある現在,将来世代を考慮に入れた社会の仕組みのデザインは緊急の課題である.
[講演資料]
第2回 稲葉 振一郎 氏
(明治学院大学教授)
宇宙倫理学の試み 2015/05/18 16:20–17:50 
講堂
【概要】人類が宇宙空間に進出する近未来を想定すれば、そのとき人類が直面する課題は、必ずしも技術的なものばかりではない。地球周回軌道をこえた深宇宙進出には、そこで人間に伴っていると予想される知能ロボットと人間の関係や、人間社会自体の新たなありようの構築がその前提となるだろう。さらにそのとき、自己改造でエンハンスト・ヒューマンと化する術を身につけた我々は、知性とは何か、そもそも人間とは何か、という根源的問いに今一度直面するはずである。宇宙工学、ロボット工学、哲学、倫理学の交差する地点に見出される問題群を、SF小説やSF漫画を「実験事例」として取り上げながら探っていく。
[講演資料]
第1回 筒井 泉 博士
(高エネルギー加速器研究機構准教授)
量子力学と時間反転 2015/05/07 14:40–16:10 
C102
【概要】自然界に起きる様々な現象を、撮影したフィルムを逆回しにするように、時間を逆向きにさかのぼって眺めることができたら、その映像は奇妙に見えるだろうか。もし奇妙に見えるなら、それは我々の世界の時間の発展が、一定の方向に定まっているからだろう。そしてもしそうでなければ、仮に時間が逆行していても我々には気づかないから、時間の進行方向はどちらでも構わないことになる。我々人間が親しんでいるマクロな世界では、経験上、時間は逆行しないように見える。「覆水盆に返らず」である。しかしニュートンの古典力学において、1個の粒子の運動などの個々の物理現象に注目すると、それらは時間が逆行していても、我々には区別がつかないこと知られている。すなわち、少なくとも個々の物理系には、時間反転の対称性が存在するのである。同じことは、ハイゼンベルクらの量子力学でも成り立ち、やはり個々の量子現象は時間反転に対して対称である。ところが量子力学には古典力学には無かった「位相」という要素があるために、時間反転が粒子の電荷の符号を変え、粒子と反粒子を関係づける。さらに最近になって、量子力学における「弱値」という新しい物理量を眺めることにより、時間が順行と逆行を同時に行っているような場面に遭遇することが分かってきた。この講演では、このような時間の反転に関する興味深い最新の研究結果を、古典力学から量子力学、そして「弱値」の話へと導きながらやさしく解説する。
[講演資料]

2014年度 講演一覧

講演回 講演者 講演タイトル 日時/場所
第12回 山内 尚雄 博士
(東京工業大学名誉教授・本学客員教授)
ヒトとモノ 2015/01/26 10:40–12:10 
K101
【概要】ヒト一人当たりのエコロジカル・フットプリント(EF)は、すでに1980年代に地球の生物生産力を上回るオーバーシュート状態に入っているといわれています。また全地球上の人口は急増しており、2050年には90億人を突破すると予測されています。すなわちヒトにとって「持続可能な」地球環境は、「限界」にきています。二足歩行し、両手が自由につかえ、個体間の高度なコニュニケーション能力をもったヒト(猿人)という動物が、アフリカに出現したのが、約600万年前と考えられています。爾来、ヒトは生物学的進化をとげるとともに、身の回りの自然物を「道具」とし、様々な「モノ」を造り、さらに高次のモノを次々に創製し、環境の変化に対応することにより「進化」して現在に至っています。その道筋で、「火の使用」を始めたのは画期的な出来事でした。こうして造った様々なモノを用いてヒトが地球上に生活している状態を「文化」とか「文明」と呼んでいます。最近の科学的な人類学や考古学、はたまた歴史学は、文明はヒトとモノとの不断の共鳴的展開により各種の環境変化に対応して生き長らえてきたことを、明らかにしつつあります。
 ヒトにとって、モノとは、素材=自然物に始まり、素材を加工したり組み合わせたりした道具やデバイス、機器、装置、施設などのすべての「人工物」をさします。しかし、突然どこか外部からヒト自身が開発したのではない高次のモノが与えられてもヒトには何の役にも立ちません。ヒトとモノの間のコトと呼ぶべき経験やソフト、マニュアルなどの「科学技術」を含む知識全般が不可欠です。すなわち、「材料技術・科学」の正体はモノではなくコトです。自然物である素材だけでなく、人工物に関するコトです。人類史をふりかえると、「新材料」が新しいモノを生み出し、文明のパラダイム・シフトを生じせしめてきたことは大変興味深い事実です。
 本講義では、人類史上不可欠な新材料の出現と、それに伴う材料技術・科学の進展が文明のパラダイム・シフトを誘起する様を概観することにより、限界に近いグローバル化した現代文明の持続に貢献する材料技術・科学というコトについても一考したい。
第11回 江守 正多 博士
(国立環境研究所気候変動リスク評価研究室長)
気候変動リスクと人類の選択 2015/01/09 14:50–16:20 
C102
【概要】人間活動に伴う温室効果ガスの排出による気候変動(地球温暖化)が進んでいます。その危険な影響を避けるため、世界平均気温の上昇を産業革命前を基準に2℃未満に抑えることが国際社会の目標とされています。しかし、その実現のためには今世紀末に世界の温室効果ガス排出量をほぼゼロにする必要があります。この途方もない課題に人類はどう向き合えばよいのかを論じます。
第10回 渡邉 高志 博士
(本学教授)
エキゾティックな植物のお話 2014/12/24 14:50–16:20 
C101
【概要】—
第9回 下村 政嗣 博士
(千歳科学技術大学教授)
古くて新しい、バイオミメティクス(生物模倣) 2014/12/19 14:50–16:20 
C102
【概要】生物に学ぶ、という考え方は古くからあります。ナイロンやマジックテープはその代表例です。今世紀になって、欧米を中心にバイオミメティクスの新しい潮流がおこっています。ドイツは、国際標準化の提案をしてきました。アメリカでは環境やエネルギー問題の救世主とも言われています。生物模倣技術の現代的な意義とそれがもたらす技術革新について説明します。
第8回 大槻 久 博士
(総合研究大学院大学助教)
理論で切り込む社会生物学 2014/12/10 13:10–14:20 
C102
【概要】社会生物学とは、個体同士が集まってある種の調和的な集まり、すなわち「社会」を作る生物に関する学問です。例えばアリやハチなどの社会性昆虫のコロニー、サカナの群れ、ライオンの群れなどはその一例です。社会を作れば、個体単独では成し得ないことを協力によって達成でき(例えば大きなハチの巣などはその良い例でしょう)、結果としてより多くの子孫を残すことができるので、社会が出来上がること自体は一見すると進化理論には何ら矛盾しないように思えます。
 しかし、進化は集団レベルに働くものではなく、個体レベルに働くものです。言い換えれば、各個体は社会を構成する一員であるものの、その中において他者よりもなるべく多くの子孫を残そうと競争し合う存在です。したがって、一見すると「調和的」に出来上がっているような生物の社会も、実は個体間の軋轢と葛藤の結果として出来上がっている場合が往々にしてあります。
 私の専門分野は「数理生物学」と言って、数学やコンピュータなどの方法を用いて、様々な生命現象に働く原理・原則を解き明かそうとする分野です。今回は社会生物学における複数の例を通して、理論がどのような問題をどのように解決していくかを紹介し、たぶん皆さんが初めて耳にするであろう「数理生物学」の研究の一端をご紹介できればと思います。
第7回 宮崎 州正 博士
(名古屋大学理学部教授)
やわらかいモノの理論物理学 2014/12/02 16:30–18:00 
B106
【概要】理論物理学というと、とてつもなく小さな原子や素粒子の世界や、とてつもなくはるか彼方の宇宙やビッグバンの世界が、研究の対象だと思っていませんか。身の回りのありふれた自然現象は、ニュートンの時代に全部解決してしまっていて、物理のフロンティアは極大の宇宙と極小の素粒子にしか残っていないと思っていませんか。それは大変な誤解です。「液体は流れるが、固体は動かない」というあまりにも当たり前の事実すら、最先端の理論物理学は説明できないのです。身近な現象にも未解決問題が残っている、というのは不適切な言い方です。身近な現象のことを我々人類は何も理解していないというほうが正しいのです。私の専門は、「ソフトマター物理学」です。文字通り、「やわらかい物質」が研究対象です。蜂蜜やマヨネーズ、歯磨き粉やクリームは、液体でしょうか、固体でしょうか。こんな身近な物質を理解することが、我々の知識の地平線をどんなふうに広げていくのかについて、分かりやすく説明する予定です。
第6回 須藤 靖 博士
(東京大学理学部教授)
世界は法則に支配されているか 2014/11/12 16:30–18:00 
C102
【概要】宇宙の起源、生命の起源、意識の起源は、科学が解明すべき究極の難問の代表的なものである。しかしながら、これらはまだ解明されているというにはほど遠いし、そもそも我々人類の知性のレベルで理解できるかどうかすらわからない。
 その一方で、より身近な世界(特に無生物的現象)に関しては、その振る舞いは驚くべき精度で説明に成功している。これは、いったん初期条件が与えられれば、その後の振る舞いは基本的には物理法則にしたがっているからである。
 むろん、このような素朴な決定論的世界観には限界がある。量子論的な不確定性、さらには決定論的であるにもかかわらず系を特徴付けるパラメータに対する強い依存性のために、未来を予言することは不可能なことも多い。にもかかわらず、全体としてこの世界は法則にしたがって、ある程度必然的に進化しているように思われる。
 その具体的な例は、誕生して38万年後の宇宙の「初期条件」ともいえる宇宙マイクロ波背景輻射温度地図が予言する現在の宇宙の姿が観測データと驚くべき一致を示していることである。
 この宇宙地図の鑑賞法を理解すれば、世界が法則にしたがっているという世界観に共感してもらえるのではなかろうか。とすれば、生命と意識は、我々が具体的な説明に成功するかどうかは別として、この宇宙の進化の必然的な帰結であると予想できる。一方、では宇宙はなぜ誕生したのか。これは、宇宙の誕生以前に法則は存在したのか、というかなり哲学的な問いかけそのものであり、あいまいな言い方ではあるものの、必然ではなく偶然を持ち出さざるを得ないように思われる。
 今回は、宇宙論と太陽系外惑星の研究を具体的な例として取り上げながら、物理学的世界観の成功と限界に関して、かなり個人的な(したがって正しいかどうかはまったくわからない)見解を紹介してみたい。
第5回 木川 栄一 博士
(海洋研究開発機構海底資源開発センター長)
海底資源を探る 2014/10/20 13:10–14:40 
C102
【概要】日本近海に賦存する金属鉱物資源(海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、マンガン団塊、レアアース泥)について、我が国における開発の現状及び最先端の研究についてわかりやすく解説いたします。また、本年度より開始された現政権の重要施策「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の採択課題である「次世代海洋資源調査技術」についてのご紹介もいたします。
第4回 関根 良紹 氏
(相転移プロダクション)
科学と社会の狭間の一市民の奮闘 2014/10/15 16:30–18:00 
C102
【概要】近年科学と社会の関係がやたらと取り沙汰されているが社会的に論じられていることは私にとってはどうでもいい.私から見て決定的に重要なのは社会の中の個人がどう生きていくかであり,数学や自然科学を学んできた者達がその専門への愛情を捨てるように強要されることなく生を謳歌できるかでありいかにしてそれらと添い遂げていくかだ.一昔前ならいざ知らず,今はたとえどれだけ強く願ったところで皆が皆大学や企業,研究所の研究者・開発者になれるわけでもない.そんな中,大学・大学院で専門教育を受けた個人が何をしてどう生きていくか,どう社会と殴り合っていくのか,研究開発には従事していない一個人の立場からその戦いの一例を見せたい.
[講演資料] [映像記録]
第3回 島 明日香 博士
(宇宙航空研究開発機構未踏技術研究センター研究員)
有人宇宙活動を支える生命維持技術について 2014/07/10 10:40–12:10 
K-HALL
【概要】人間を地球とまったく異なる宇宙環境で生かすには、実に様々な技術が必要です。今回のご講演ではJAXAの業務内容などを簡単に説明して頂いたのち、有人宇宙技術の具体例を、CO2からO2を作る循環型空気再生技術の研究を例に説明して下さいます。
また、宇宙機の設計などについても紹介して下さいますので、機械・電気・システム・情報系等の皆様も是非ご来聴下さい。
第2回 新井 紀子 博士
(国立情報学研究所教授)
ロボットは東大に入れるか 2014/05/30 16:30–18:00 
講堂
【概要】国立情報学研究所は2011年にグランドチャレンジプロジェクト「ロボットは東大に入れるか」を開始した。本プロジェクトは、1980年以降、情報検索・自然言語処理・画像処理・数式処理・証明支援システム等細分化された人工知能分野を再統合することで新たな地平を切り拓くことを目的に、発足したものである。本講演では、今「大学入試」を人工知能研究のターゲットとすることの意義とその理論的・技術的困難について概説した上で、2年間の研究成果を紹介したい。
[HP]
第1回 筒井 泉 博士
(高エネルギー加速器研究機構准教授)
量子世界における実在とは:猫話二題 2014/05/23 16:30–18:00 
講堂
【概要】量子の世界では常識的な実在像が成立せず、モノの存在や現象間の因果関係が曖昧になる。現代の自然科学を支える量子力学が教える不可解な自然界の姿について、最新の量子的実在性の研究の話題を含め、新旧の2匹の猫(シュレーディンガーの猫と量子チェシャ猫)の話を交えながらやさしく解説する。

2013年度 講演一覧

講演回 講演者 講演タイトル 日時/場所
第22回 小澤 正直 博士
(名古屋大学教授)
不確定性原理の最前線 2014/01/22 14:50–16:20 
C101
【概要】量子力学の代名詞でもある「ハイゼンベルクの不確定性原理」が小澤正直博士によって書き換えられた!いまからちょうど二年前に一般紙の一面トップでも伝えられたこのニュースを、覚えておられる方も多いのではないでしょうか。この基礎物理学の大発見を巡る事情を、このたび小澤博士ご自身から聞く事ができる希有の機会が与えられました。皆様のご来聴を歓迎いたします。
[HP]
第21回 高橋 泰城 博士
(北海道大学准教授)
心理物理学的神経経済学とその社会科学への応用 2013/12/20 14:50–16:20 
C102
【概要】近年発展が著しい「神経経済学」の分野において、心理物理学的理論の導入が大変有用であることが、我々の研究で明らかになってきた。時間割引やリスク下の意思決定を、心理物理学的神経経済学の枠組みを用いて定式化できることの紹介を行い、量子意思決定理論との関連や、(経済学や政治学などの)社会科学における問題への応用を解説する。
第20回 山内 尚雄 博士
(ヘルシンキ工科大学教授)
ヒトとモノの共鳴的相関の展開 -材料技術・科学史 2013/12/19 10:40–12:10 
C101
【概要】近年発展が著しい「神経経済学」の分野において、心理物理学的理論の導入が大変有用であることが、我々の研究で明らかになってきた。時間割引やリスク下の意思決定を、心理物理学的神経経済学の枠組みを用いて定式化できることの紹介を行い、量子意思決定理論との関連や、(経済学や政治学などの)社会科学における問題への応用を解説する。
第19回 (事情により延期)
【概要】—
第18回 小野寺 健一 博士
(高知大学教授)
生き物が創る物質を探し出す 2013/11/28 13:10–14:40 
C102
【概要】—
第17回 木川 栄一 博士
(海洋研究開発機構)
燃える氷、メタンハイドレート 2013/11/06 14:50–16:20 
C101
【概要】海中に眠る未開発の資源、メタンハイドレートについて、基礎からはじまって昨年以降の最新の成果を含めてお話いたします。
第16回 岡本 佳男 博士
(名古屋大学教授)
多糖系HPLC用キラル充填剤の開発と応用 2013/10/24 17:15–18:00 
K-HALL
【概要】—
第15回 大越 慎一 博士
(東京大学教授)
磁気化学を基盤とした新機能ナノ構造物質のボトムアップ創製 2013/10/24 16:30–17:15 
K-HALL
【概要】—
第14回 八島 栄次 博士
(名古屋大学教授)
らせん高分子の合成と応用 2013/10/24 15:35–16:20 
K-HALL
【概要】—
第13回 石田 康博 博士
(理化学研究所主任研究員)
液晶の塩を使ったキラル極微フラスコの科学 2013/10/24 14:50–15:35 
K-HALL
【概要】—
第12回 山田 眞二 博士
(お茶の水女子大学教授)
カチオン-π相互作用を利用する有機合成 2013/10/24 13:55–14:40 
K-HALL
【概要】—
第11回 井上 佳久 博士
(大阪大学教授)
キラル超分子光化学 2013/10/24 13:10–13:55 
K-HALL
【概要】—
第10回 中村 勝弘 博士
(トリノ工科大タシケント校教授)
量子カオスとナノサイエンス 2013/07/30 16:30–18:00 
C102
【概要】カオスは、振り子の周期運動や太陽の周りの惑星のケプラー運動とは異なり、未来予想がまったく不可能な運動である。カオスは、ナノスケールの世界では特に重要なコンセプトである。たとえば、量子ドットに閉じ込められた電子の軌道運動や分子内の電子の運動は、ニュ-トン力学で考察するとカオスを示す。しかし、ナノスケールの世界では、「不確定性原理」が支配するのでカオスの兆候は ややかき消されてしまう。とはいえ、カオスは、開放系量子ドットにおける弱局在ピークのフラクタル構造やアルカリ原子ガスのシュタルク準位の複雑構造に頻繁に顔を出す。これを量子カオスという。この講演では、ナノサイエンスに関係する量子カオスの基礎を解説する。
第9回 鈴木 啓介 博士
(東京工業大学教授)
ハイブリッド天然物に学ぶ:有機合成、一度やったらやめられない 2013/07/19 17:15–18:00 
K-HALL
【概要】私達は天然有機化合物の多彩で美しい構造に魅せられ、合成研究を行ってきた。特に複数の生合成経路の交差から産生される複合構造を“ハイブリッド天然物”と呼び、その合成的諸問題を契機として新たな合成手法や合成戦略の開拓に向かうとともに、天然物合成の完成を目指してきた。本講演ではポリケチド系生合成の産物(多環式骨格)に糖質が複合化した構造を有する天然物群(アリール C-グリコシド)の合成研究、さらに偶然始まったポリフェノール系化合物の合成研究を紹介する。
第8回 山口 雅彦 博士
(東北大学教授)
ラセン有機分子の合成と機能 2013/07/19 16:30–17:15 
K-HALL
【概要】ラセンは自然界で広く見られるキラル構造です。ところで、有機分子にもラセン構造をもつものが知られていますが、性質はわかっていません。ラセン構造の有機化合物を大量に供給することが容易でなかったためです。私たちはラセン多環芳香族化合物である光学活性ヘリセンの大量合成法を開発して誘導体を合成し、性質と機能を調べる研究を行っています。とくにラセン小分子の研究をもとに、ヘリセンを連結したラセン大分子、さらに自己集合体に物質ボトムアップするアプローチに興味を持っています。今回はこの例についてご紹介させていただきます。
第7回 立間 徹 博士
(東京大学教授)
金属ナノ粒子による様々な光機能の創出 2013/07/19 15:35–16:20 
K-HALL
【概要】金属は光をよく反射しますが、ナノサイズにすると,吸収するようになります。この性質は,ステンドグラスの着色などに使われてきました。さらに工夫を加えることで,吸収した光のエネルギーを太陽電池や光触媒に利用できるようになります。また,当てた光の色を記憶する材料,目には見えない(赤外カメラでは見える)画像を表示できる材料,光で変形するポリマー材料などにも応用できます。こうした様々な機能と,その原理について紹介します。
第6回 宮山 勝 博士
(東京大学教授)
次世代電池のための材料開発-リチウムを使わないプロトン電池とMg二次電池- 2013/07/19 14:50–15:35 
K-HALL
【概要】リチウムイオン電池の高出力化や大型化の研究開発が進められているが、資源的制約や材料特性上の課題から限界が見えつつある。新たな電池の候補として、水溶液を電解質に用いた安全性の高いプロトン電池や、Mg2+などを可動イオンとして大容量が期待される多価カチオン二次電池がある。講演では、それらの動作原理、電極材料や特性、課題などを紹介する。
第5回 鈴木 勉 博士
(東京大学教授)
RNAエピジェネティクスと生命現象 2013/07/19 13:55–14:40 
K-HALL
【概要】RNAは転写後に様々なプロセシングや修飾を受けて成熟し、はじめてその本来機能を発揮する。これまでに100種類を超えるRNA修飾が様々な生物から見つかっている。最近、遺伝子発現がRNA修飾によって制御されるという、RNAエピジェネティクスという概念が生まれつつある。また、RNA修飾の異常はヒトの疾患の原因になることが知られており、RNA修飾病という概念が定着しつつある。本講演では、最近私たちが発見した新規RNA修飾の構造と機能、RNA修飾病の発症メカニズムについて報告する。
第4回 和田 猛 博士
(東京理科大学教授)
リン原子修飾核酸医薬の立体制御 2013/07/19 13:10–13:55 
K-HALL
【概要】近年、医学のめざましい進歩により、再生医療や遺伝子治療などの実用化にも道が開かれつつある。医薬品の開発に目を向けると、現在注目を集めている抗体医薬に続く次世代の医薬として、核酸医薬の実用化に大きな期待が寄せられている。核酸医薬の実用化において解決すべき課題は、核酸誘導体の生体内における安定性の向上とデリバリーである。我々は、これらの問題を克服するための手法の一つとして、核酸リン原子の化学修飾に着目して研究を行っている。核酸分解酵素は、DNAやRNAのリン酸ジエステル結合を加水分解する酵素であるから、ここに適切な化学修飾を施すことにより、高い分解酵素耐性を獲得することができる。また、水溶性の高いリン酸ジエステル結合の非架橋酸素原子を他の元素や置換基に変換することにより、脂溶性が向上し、細胞膜透過性を向上させることも可能である。しかし、核酸のリン原子に修飾を施すと、各リン酸ジエステル結合つき、2種類の立体異性体が生成し、立体異性体間で核酸類縁体の生体内における安定性や二重鎖形成能など、医薬としての性質に大きく異なるため、その立体制御は極めて重要な課題である。本講演では、核酸医薬として有用なホスホロチオエートDNAおよびRNAの立体選択的合成と、立体が制御されたH-ホスホネートDNAを経由する様々なリン原子修飾DNA類縁体の立体選択的合成について紹介する。
第3回 谷垣 実 博士
(京都大学原子炉実験所助教)
GPS連動型放射線計測システムKURAMAの開発と運用~地域を見守る「目」~ 2013/05/22 14:50–16:20 
C102
【概要】2011年3月の東電福島第一原子力発電所事故により、東日本の広範囲で深刻な放射性物質による汚染が発生しました。この事故に対応するべく、京都大学原子炉実験所では2011年4月にKURAMA(Kyoto University RAdiation MApping system)を開発、福島県や文科省他が行った事故直後の汚染状況の迅速かつ詳細な調査に活用されました。その後KURAMAはKURAMA-IIへと進化し、100台以上のKURAMA-IIを一斉に稼働しての東日本全体の大規模調査が実施された他、生活圏の放射線量を継続的に監視する「地域を見守る目」としての活用が本格的に始まろうとしています。今回はKURAMAやKURAMA-IIのあらましや開発の経緯、現状や今後の展開などを福島の現状を交えながらお話します。
[HP]
第2回 飯田 圭 博士
(高知大学理学部教授)
中性子星とパルサー 2013/05/14 14:50–16:20 
C102
【概要】中性子星は超新星爆発のあとに残るコンパクトな天体の一形態である。その一部は、星の回転とともに規則正しく電波パルスを送り続ける「パルサー」として見えている。その質量やサイズといった基本的な性質を知ることすら天文学においては全く容易なことではないが、公転運動に対する一般相対論の効果のおかげで、質量については精度よく決まる例がある。すると星を構成するきわめて高密な物質の性質を窺い知ることが可能となる。この例をはじめとして、中性子星に見られる多彩な現象から、地上では作り得ない超高密度物質の性質をさぐるという不思議な「実験」の一端を紹介する。
[HP]
第1回 菊池 豊 博士
(本学連携センター教授)
小水力発電で地域を活性化 ~どうやって!?~ 2013/05/08 14:50–16:20 
C102
【概要】日本では中山間部で過疎化と高齢化が進行しています。衰退する地域社会を自立させる方法がいくつも考えられ実施されています。その中で私たちは、地域が主体となって再生可能エネルギー事業、それも小水力発電事業を実施することで地域を再生しようとしています。なぜ小水力発電なのか、どんな課題があってどう解決しようとしているのかをご紹介しようと思います。なお、これは出来上がっている話ではなく、work in progress なプロジェクトです。積極的な御意見を御待ちしています。
[講演資料PDF] [HP]
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